故・中曽根康弘元総理の葬儀が10月18日にあったことを覚えているだろうか。費用が1億円にのぼることだとか国立大学に半旗掲揚や職員らの黙祷などで弔意を表明することを求めただとかでまあ反発もあったりしたが、そういったことについては個々人の思想もあるだろうから突っ込まないことにする。
重要なのは、我々が中曽根康弘元総理の遺体をこの目で見ていないことだ。
シュレディンガーの猫
量子力学に関する有名な思考実験に「シュレディンガーの猫」というものがある。箱の中にいる猫が50%の確率で死ぬようにセッティングされた箱に猫を入れた場合、箱の中の猫は生きている状態と死んでいる状態の重ね合わせで表されるというものである。
我々は中曽根元総理の遺体を見ていない。
ということは、棺の中にいると思われる中曽根元総理は、実際に亡くなっているとは限らないのである。棺を開けて遺体を確認するまでは亡くなっていない状態の中曽根元総理も存在していることになる。
というのは、実は正しくない。
そもそも、生きている猫と死んでいる猫の重ね合わせというのはナンセンスである。実際には猫というマクロな物体は生きているか死んでいるかのどちらかであり、重ね合わせの話は電子のようなミクロの物体の話である。
つまり、中曽根元総理も棺の中で死んでいる状態とそうでない状態の重ね合わせで表されるということはなく、実際には1つの「定まった状態」しかとっていない。
だが、我々は重要なことを見過ごしている。
たしかに中曽根元総理は棺の中で重ね合わせの状態で存在しているということはない。
だが、棺の中の「定まった状態」が亡くなった状態であるとは限らないのである。
私が思うに、中曽根元総理は今も存命である。
ではどこにいるのか。
自民党本部の地下である。
木を隠すなら森の中、自民党の名士であった中曽根元総理なら自民党本部ということであると思われる。
ではなぜ自民党本部の地下にいるのか。
中曽根元総理は巨大兵器に改造される手術を受けている最中なのだ。
1億円というのは実のところ、この改造手術に要する費用だったのだ。前例のない手術である。高額になるのも無理はなかろう。
想定されるシナリオはこうだ。
まず、元総理の訃報をマスコミなどを通して流す。同時に元総理には極秘裏に党本部の地下に入ってもらう。
巨大兵器改造手術の目処が立つまでは麻酔などを活用し時間を稼ぎ、目処がたったところで葬儀の費用として手術に要する費用を明らかにするのだ。
なるほど1億円というのは市民の感覚からすればなかなかに高額な葬儀かもしれない。しかし、そのインパクトによって葬儀がそもそもハッタリであるということは覆い隠される。
国立大学に弔意表明を求めたり会場前に自衛官を整列させたりしていたのもカモフラージュに念を入れるためと考えることができるだろう。
こういった行為が一部の人々からの批判を招くことなど政治家がわからないはずもない。あえてそのような行為に出ることで、隠したい事実からは目を逸させるのだ。
そうしてほとぼりが冷めたところで、自民党本部は二つに割れ、巨大兵器に改造された元総理が地下から出てくるのだ。
巨大兵器になった中曽根元総理は遠距離からの民営化ビームでHPを削り、接近戦では民営化パンチや民営化キックで的確にとどめをさす。
おそらく警察や自衛隊が対応することになるだろうが、彼らも効果的な対処は難しいかもしれない。彼らが民営化されてしまうからだ。民営化された場合の警察や自衛隊の能力は未知数だ。
かくして日本全国、さらに全世界が民営化され、巨大兵器となった中曽根元総理は太陽系の惑星、さらには銀河系、そして全宇宙を民営化すべく、宇宙へと飛んでいく。やがて神羅万象が民営化された時、巨大兵器はその役目を終えて停止するのだ。
そんなわけないだろ。
中曽根元総理のご冥福をお祈りします。
以上